Air diary 88『ゾーンプロデュース』 

2012/12/17

 

森野(気流部代表)が複数の大学で担当しているの授業の中で、「ゾーンプロデュース」をテーマに演習を行いました。1つは奈良女子大学、住環境デザイン基礎という科目の中で、1つは大阪大学工学部建築工学、造形実習という中で。

どちらも如何に空間を新たに創出し、自由な発想で場の可能性を見出す事が出来るかという授業です。

そしてこの演習は、建築設計を前提にした課題ではなく、空間に含まれる、人、モノ、出来事を以下に繋ぎ合わせ、固定化されない余白でもある空間を新たに産むのかという発想演習でもあります。

どちらかと言えば、現代アートの領域でのインスタレーションという方法論に近接しています。

その非造形的な思考を出発点とした行き先は、イヴェントに、施設に、アート作品に、と様々な領域を跨いで広がり、場に降り立っていきます。

モノから空間へ、一度は余白を主眼とする考察を経て、モノへと、モノ作りへとフィードバックされていくのです。

どちらの大学でも実際の空間作り迄は出来ず、アイディアを絵にするところまでです。

「どんな風景をあなたはイメージしますか、どんな「雰囲気」、どんな空気感に囲まれた環境を見出し、何を作り出そうとしますか?」


奈良女子大では最後に「air party?」と題して教室空間に大型の送風機を持ち込み、気流部ネタでもある紙吹雪空間創造デモを学生と行い、余白空間へと思考と視点を誘うパーティー実験を。(写真左)


阪大では、服部緑地を舞台にした「ゾーンプロデュース」を学生各自が絵本として最後にプレゼン。

(写真右※服部緑地にあるユニヴァーサルデザインゾーン、ちかくの森を舞台にした、ダイアローグインザダークからヒントを得た、“視覚を奪う”空間演出。)


と、大学のカラーの違いが授業の流れの違いにもなりました。

関わる人の違いでテーマは同じでも、現れてくる授業空間はそれぞれ異なってくるということですね。

又、それぞれが楽しく密度の高い授業になった気がしています。

 
 
 

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