Air diary 65『 気象で読む〜』
2011/09/01
『気象で読む身体』加賀美雅弘著 講談社現代新書
〜気圧の谷の影響で今夜は頭痛や気圧上昇にご注意をー
気象と人体の相関を科学する生気象学と、古代医学や思想との意外な接点。自然と人間の調和的関係を探る。
、、という著書があります。東洋的な「気」、「風」の事、西洋的な医学と気象の関係考察のドイツでの前例。
又、「環境」というキーワードの読み解き方を分かりやすく解説がされています。
1990年代に書かれた本で、「科学」を新たに捉え直すという趣の、同時代にはよく見られたテーマなのですが、21世紀になり十数年の現在の、様々な枠組みが揺らいでいる世界の状況を少し整理する意味でも興味深い内容でした。東洋と西洋というイデオロギー的な二元論で話は進められ、その重なる領域の「気象」という切り口で、誰もがリアルに体験する、経験する身体の変化をモチーフに、新たな知の領域やシステムを緩やかに提言されています。
誰もが気を取られる時事のテーマや大きな語句を掲げる本は、書店に行けば自ずと眼に出来るのですが、そういう本は関心させられる半面、どこか他人事のような読後感があります。そうではない、緩やかであるけれども、現代にも通呈するテーマを分かりやすく、誰もが身を以て感じる事柄を経て説き進める方法に、どこか気流部の進め方と重なり合わせています。
もちろん「気」や「風」といったキーワードに引かれて、高松市の古本屋で見つけた本なのですが、その知識だけではなく、思考の進め方、深め方、現し方が非常に参考になりました。
九月になりました。
八月の後半は今迄の、ここ数年間のツケでもある、大掃除、大整理。まだまだ続いています。。。
処分しないといけないモノもかなり多く、新たなドローイングの制作や気流部の未だ見ぬ展開のためにも、暑気の中、汗をかいています。