Air Info 95『気流部@徳島の夏展開-REPORT』〜しかけたアート

2013/08/20

 

東新町商店街で開催予定だった気流部。

熱気球のタチノボリ、エアーアニマルWSなどを準備していましたが、アーケード空間使用の了解を得ら

れず、予定プログラム場所、内容を変更し活動を行いました。


商店街のアーケード下は公道であり、商店街店舗の軒先でもあるこの空間では、「公共」の捉え方の違

いで、道路交通法の規制対象空間にもなり、又あるときは、商店街活性化= 共利活用 の空間ともなりま

す。又、1つの街でもあるが故に、街の住民倫理が時としてその場の雰囲気を形作り、むやみにイヴェ

ント等をアーケード下では出来ないことになります。(公園のように管理者がいるわけではない。)

みんなのものであるがゆえの「公」という個が踏み込めざる思考と、誰もが参入して「共」に使ってい

く考え方が同梱している、1つの街に過ぎず、アーケード下は1つの公道に過ぎないのです。


地面を見下ろすと規制対象空間、アーケードを見上げると利活用空間、この両者が商店「街」です。

(「HOT AIR」の告知アーケード写真は後者の視点を強調したものにしていました。)


そして何故中止になったのか、

それは商店街側の、「阿波踊り期間のイヴェントをアーケード下では行わない」という決定を、徳島で

の協力者(NPOびざん大学)とも相談の上、 こちらが汲んだ結果でした。この判断が直前だった事もあ

り、楽しみにされていた方には大変申し訳ありません。


しかしながら公共空間での作品展開は、このような問題を抱えながらのものです。

そして、表現すること=公(おおやけ)にすることを、様々な「場」の規制や秩序の上で成立する街の

中で如何に受け入れてもらうか、そういった課題を常に抱えながら進行するのが気流部のプロジェクト

になります。ただただ表現することを目的と手段にするならば、それに応ずる場(美術館やギャラリー

スペース)が街にはあります。そうではない、アートの新たな展開の可能性を探る意味でも、公共空間

への仕掛けは、「街とアート」「地域とアート」の課題を考える布石にもなると気流部は考えていて、

さらに又、「表現すること=公」を省みるきっかけにもなると思っています。



「HOT-AIR〜タチノボル」熱気プログラムの行方??

同じ頃、びざん大学が徳島県佐那河内村で企画している「ROCK BAND CAMP」のサポートボランティ

アに、中止となった資材一式を託し、現地にて子供達とワークショップ「タチノボリ(バルーンに熱い

空気を注入し浮き上がらせる)」の実演をしてもらうことになりました。

まだ気流部としても初演のプログラムを託すのは申し訳なかったのですが、このタイミングと思わぬ縁

で迷わず託しました。サポーター達はNGO「NICE」によりコーディネートされた全国、海外からの支援

ボランティアで、頼もしい限りでした。(タチノボリの記録は後日紹介します。)






追記

「AIR ILLUSION」TEST

徳島市内の両国商店街にて実験を行いました。阿波踊り期間、無料観覧席が設置される側にて、簡単な

マチナカ送風紙吹雪実演を行いました。(LEDは用意出来ませんでした。)






いちかけ、にかけ、さんかけて、しかけたアート(踊り)はやめられない ♫



そして、徳島の夏、阿波踊り。

街と人が一体となり、踊り狂い、阿呆になる。こんな光景はなかなか経験する事はないかもしれませ

ん。祭(神事)ではなく、こういう事ができる街が他にあるのか?と思うくらい、その一体感は想像以

上であり、その蠢きは有機的運動として、街が人であり、人が街であり、そんな理屈も突き抜ける、躍

動する、踊る空気そのもののようでした。







最後に春のLEDフェスから徳島の気流部活動を支えてくれた、NPOびざん大学、又、地域の皆様、本当

にお世話になりました。


そして、今後共よろしくお願い致します。


ごかけ、ろくかけ、ななかけて、やっぱりアート(踊り)はやめられない ♫




 
 
 

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